第400章 高橋夫人になることに、抵抗はない

「ん?」

 神崎暁は、言葉の意味を測りかねて小首をかしげた。

「高山補佐が軽く洗ってみたんだがね。君と同期のライバルたちの中には、事前に大学幹部を食事に招いたり、発言力のある教授に推薦状を書かせたり——あるいは、実家から寄付金を積もうとしている者もいるようだ」

 ただ、他人は数億単位の寄付など渋るのが関の山だ。高橋樹という男の財力の前にあっては、そんな小細工など児戯に等しい。

 神崎暁は驚愕に目を見開いた。まさか、そんな裏工作に手を染める人間がこれほど多いとは。

 だが、すぐに得心がいった。大学といえども純粋な象牙の塔ではない。人脈、根回し、世渡り——それこそが社会の常態なのだ。

 高...

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