第402章 結婚指輪をはめてくれますか?

カリナンの車内。

「彼女がそう言ったのか?」

 高橋樹は、本邸の執事からの伝言を高山補佐より聞き、思わず口角を上げた。

 高山補佐は頷いた。

「ええ。恐らく彼らも、神崎さんがあれほど弁が立ち、あなたを庇うとは予想していなかったのでしょう」

 高橋樹の脳裏に、神崎暁の姿が鮮やかに浮かび、その瞳の奥に笑意が差した。

 彼女がやり込められていないなら、それでいい。

 だが……彼女は、俺が他の女と怪しい関係にあるという噂を聞いて、嫉妬しないのか? それほど心が広いのか?

 それとも……まだ、俺のことは眼中にないのか?

          ◇

 この日の家族との会食は、極めて順調に進んだ...

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