第46章 何故兄のベッドで遊んでいるの?

この辺りは永都大学だけでなく、他にも学校がいくつかあり、屋台街は学生たちでごった返し、活気に満ち溢れていた。

オーダーメイドのシャツにスラックス、革靴という出で立ちの古賀硯司は、この場所ではあまりにも浮いており、姿を見せるなり多くの学生の注目を集めた。

その注目は、様々なパーティーで向けられる古賀家の次期当主への尊敬や媚びへつらいの眼差しとは違う。大学生たちの「なんであの人、シャツにスラックスに革靴なんだ?」という、澄み切った純粋な疑問の視線だった。

傍らを通り過ぎた男女数人のグループが、古賀硯司をちらちらと見ながら、自分たちでは小声のつもりでひそひそと話している。

「あの兄ちゃん、な...

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