第61章 彩音が離婚したら、私たちは一緒に

小野寺静は豁然と立ち上がり、その顔色はめまぐるしく変わった。

愕然、驚喜、期待、拒絶……様々な感情が五味雑陳のように彼女の顔をよぎっていく。

小野寺彩音は眉をひそめ、それからすぐに古賀硯司が部屋に入ってきた。

「硯司さん……」小野寺静は歩み寄り、その視線を古賀硯司に釘付けにした。

しかし、古賀硯司は真っ先にソファにいる小野寺彩音を見つけ、彼女に問いかけた。「用事は済んだのか?」

小野寺彩音は何のことか分からず、ソファに凭れたまま億劫そうに動かない。「どうして来たの?」

無視された小野寺静は心中でさらに焦りを募らせ、声を張り上げた。「硯司さん!」

古賀硯司はそこでようやく小野寺静に...

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