第65章 奥様、楽しんでいますか?

「……」

小野寺彩音はぱちぱちと瞬きをした。彼の言動がどうにも理解できず、何気なく答える。

「まあまあ、かしら?」

周りには多くの見物人が集まっていた。

皆、呆気にとられていた。これはもう、小野寺彩音は欲しい牌を何でもツモれるかのよう。しかも、彼女が捨てた牌は相手のアガリ牌を的確に避けているではないか!

「こ、これじゃまるでイカサマだ……神がかってる!」と誰かが感嘆の声を漏らした。

「麻雀はゲーム理論と確率論の問題よ。運と頭脳、彩音にはどちらも欠けていないわ」洛条北兎は加賀家の執事にチップを片付けさせた。

小野寺彩音のポイントは、他の三人分を合わせたよりも多く、しかも彼女は専門的...

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