第67章 追求者はいいね!

小野寺彩音は歩み寄ると、金髪の連れが持っていたカメラをひったくり、メモリーカードを抜き取ってへし折り、便器へと放り込んだ。そして、力任せにカメラを叩きつけ、粉々に破壊した。

その暴力的な美学に、拘束されていた金髪の男はわなわなと震え上がった。

「写真のバックアップは?」小野寺彩音は手を差し伸べて問う。

金髪の男は激しく首を横に振った。「ば、バックアップなんてありません!」

バックアップする時間なんて、どこにあったというのか。

今や安全になった古賀錦枝はフンと鼻を鳴らした。「たとえ写真があったとしても、写ってるのが加工じゃなくて私本人だって、誰が証明できるっていうの?」

小野寺彩音は...

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