第68章 小野寺彩音、古賀家に属する

「わぁお——」

古賀錦枝が場違いな感嘆の声を上げた。そのゴシップ魂は、もはや抑えようがなかった。

小野寺彩音は一瞬、古賀錦枝を助けに来たことを後悔した。

いや、古賀家の次男の奥様という、あのスズメバチの巣が擬人化したような人が、どうしてこんな間の抜けた娘を産んだのだろうか。

二人の男はどちらも一歩も引かず、彼女を見つめている。

しばし考えた後、小野寺彩音は江沢淮序に向き直った。「先輩、私たち来週の金曜にディベートの模擬戦がありますよね? その時にお礼として食事をご馳走させていただけませんか? 今日は親友の誕生日で、この後戻らないといけないんです」

彼女が江沢淮序を別の日...

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