第28章

藤原山の濁った両目は曇り、不明瞭だった。

藤原グループは彼が創立したものだが、数年前に既に敗北していた。藤原宴が海外から戻って来て危機を救い、もともと一つの上場企業だったものを商業帝国へと一手に育て上げたのだ。

藤原宴はビジネスの才能に恵まれ、ビジネス界では数百年に一人の天才だった。

この点は藤原山もよく理解していた。

しかし、藤原家のために働かない天才は、生かしておいても災いとなるだけだ。

藤原長女は去っていく藤原宴の背中を指さし、不満げに言った。「本当に言語道断だな、完全に私たちを眼中に入れていないじゃないか!」

「こうなるなら、最初から彼を海外で死なせておけばよかったのに!...

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