第5章

土曜日の朝、私は目が覚めた。今夜の試合は、きっとチームが勝つだろうと分かっていた。

ステロイドのおかげで。

ベッドに横たわったまま天井を見つめ、スマホに残された録音データのことを考えていた。四十三分間、佐藤翔と玲奈さんがホッケーでの不正と性的暴行を企てている会話。でも、これで私に一体何ができる?

スマホが震え、メッセージが届いた。

「今夜の試合、医療スタッフの配置が変更されました。あなたの業務は不要です」

やっぱり。今夜、彼らは私をチームのそばに置きたくないのだ。きっと玲奈さんの差し金だろう。

起き上がってコーヒーを淹れる間も、頭の中は考え事でいっぱいだった。昨日、浜...

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