第61章

藤本健司と白井麗子がレストランに足を踏み入れるや否や、店員が藤本に愛想よく微笑みかけ、慣れた様子で個室へと案内した。

白井麗子はそこでようやく察した。藤本が前もって予約を入れていたのだと。

通された個室はピンク色を基調とした装飾が施されており、まるで夢の国の城のようなファンシーな空間だった。

席に着くや否や、藤本が気遣わしげに尋ねてくる。

「麗子、なんだか浮かない顔だな?」

白井麗子は首を横に振り、質問には答えずに彼を真っ直ぐ見据えた。

「藤本さん、一つ聞きたいの。先週、佐藤侑里に会った?」

藤本は僅かに驚いた様子を見せたが、正直に頷いた。

「ああ、会ったよ」

白井麗子は唇...

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