第67章

村上信也の表情が険しさを増していく。以前の彼であれば、情にほだされて白井麗子に会わせてやったかもしれない。

だが、さっき白井麗子はなりふり構わず藤本健司について行ってしまった。あいつの心の中には、二人の子供のことなど欠片もないのだ。

信也は冷ややかな空気を纏い、口を真一文字に結んで黙り込む。

村上翔太も父親と同じような顔つきで、その色白の顔を曇らせていた。

白井美咲はシクシクと泣き続け、小さな目はすでに真っ赤だ。

どれだけ泣いても信也が「お母さんに会わせてやる」と言わないため、泣き疲れたのか、彼女は一旦休憩に入った。

二分ほどの休憩を挟み、彼女は再び翔太に抱きつき、フンフンと鼻を...

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