第76章

若い看護師は何かを思い出したのか、慌てて口をつぐむと、白井麗子に二、三の言葉をかけて病室を出て行った。

病室には白井麗子だけが残された。彼女はフル回転で思考を巡らせ、看護師が先ほど口にした言葉の意味を必死に噛み砕こうとしていた。


病院の駐車場。

運転席の鈴木明は、大股で歩いてくる村上信也の姿を認め、慌てて車を降りて後部座席のドアを開けた。

村上が乗り込み、シートに身を沈めるのを待って、鈴木は声を潜めて報告した。

「村上さん。先ほど倉庫を見張っている者から連絡がありまして、佳奈子さんの居場所が判明したそうです。すでに一団が倉庫の前で騒ぎを起こしているとか……おそらく藤本さん...

ログインして続きを読む