第77章

「何とかしろだと? 南町はこれだけ広いんだ。あいつが本気で身を隠したら、どうやって探し出せと言うんだ!」

 白井鎮は怒号を飛ばした。

 松下曇空は慌てて藤本健司の両親の顔色を窺うと、白井鎮を宥めるように猫撫で声を出す。

「あなた、まずは落ち着いて。怒っても何も解決しないわ」

 ソファに寝そべっていた藤本大和は、蜜柑を一口で放り込むと、鼻を鳴らした。

「あんたたち、本当に白井麗子を連れて来れるのか? 俺にはそんな気長に待つ趣味はねぇぞ! あいつが謝りに来ねぇなら、こっちにも考えがあるからな」

 松下曇空は引きつりそうになる頬を抑え、愛想笑いを浮かべる。

「もちろんですとも。もう捜...

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