第78章

白井麗子はパッと表情を輝かせ、慌てて携帯電話に出た。

「健司、戻ったの?」

藤本健司は頷くと、焦燥を滲ませた声で答える。

「ああ、麗子。今戻った。本当にすまない……俺が倉庫へ送った部下たちは、佳奈子を連れ出すことができなかったんだ! だが、佳奈子の正確な監禁場所は突き止めたし、本人の姿も確認できた。彼女は無事だ、心配しないでくれ」

白井麗子は安堵の息を吐いた。

「佳奈子が無事だとわかっただけで十分よ。あなたに話したいことがあるの。いつなら都合がいい?」

「空港を出たところだ。今すぐそっちに向かうから、待っていてくれ……」

藤本健司の言葉は途中で途切れた。

直後、受話口の向こう...

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