第80章

 白井麗子は唇を噛みしめた。失言だったと、自分でも分かっていた。これほど大勢の人間がいる前で、衝動に駆られて佳奈子のことを口走るべきではなかったのだ。

 白井雪子は苛立ちを隠そうともしなかった。白井麗子がこれ以上、耳障りなことを言い出すのではないかと危惧し、早急に追い払おうとする。

「白井麗子、言いたいことはもう済んだでしょ? さっさと出て行って」

 そう言いながら、彼女は白井麗子を強引に押し出そうとした。

 白井麗子はとっさにテーブルの端を掴んで抵抗し、声を潜めて凄んだ。

「白井雪子、いい加減に手を離して! さもないと、あなたが裏でやってきたこと、全部ここでぶちまけるわよ! 恥を...

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