第83章

警備員たちは顔を見合わせ、互いに困惑の色を浮かべていた。

なんと言っても藤本健司は藤本家の嫡男であり、いずれはこの家の資産を継ぐ身だ。ここで無下にして顔を潰すわけにはいかない。

「わかりました、若様。ですが、必ず予定より早くお戻りください。そうでないと俺たちの立場がありません。万が一、旦那様や奥様に知れたら、クビが飛んでしまいます」

藤本健司は大きく息を吸い込み、開かれた門へと視線を向けた。

「ああ、わかってる。必ず早めに戻る」

ようやく警備員たちが道を空け、二日間閉じ込められていた藤本健司は、ついに自由を手に入れた。

デザインコンテストの授賞式会場となる南町青年展示館は、...

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