第89章

白井麗子の瞳がぱっと輝いた。

「それじゃあ、あの子に会えるのね?」

村上信也はさらに一歩距離を詰め、薄い唇をわずかに歪めて笑った。

「ああ。だが、その前に謝れ」

彼は片方の眉を跳ね上げる。

「謝らないなら、子供には一生会わせないぞ」

は?

どうしてまた謝罪の話に戻るわけ?

「村上信也、いい加減にして! どうしていつも私に謝らせようとするのよ? そもそも私が何をしたっていうの? 絶対に謝らないから! 私に何ができるっていうのよ!」

白井麗子は本気で腹を立てていた。紅潮した頬を震わせ、赤い唇を機関銃のように動かして抗議の言葉を連射する。

村上信也は目を細めて彼女を見下ろしてい...

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