第95章

佐藤侑里は勝ち誇ったような笑みを浮かべ、口角を吊り上げた。

「私は本当に平気だから。それより、展示会がもう始まるわ。早く入りましょう」

今回の展示会に並ぶのは、デザインコンテストの受賞作品ばかりだ。彼女も腐っても三位に入賞している。後ほど自分の作品にも多くの注目が集まるだろうし、白井麗子ごときに腹を立てる必要などないのだ。

権力に弱い取り巻きたちはすぐに頷き、彼女の後ろについて会場へと入っていった。

その頃、広々とした展示ホールの中では、白井麗子と責任者の新井昂らが来場者に囲まれていた。人々は彼らの作品解説に熱心に耳を傾けている。

今回の展示作品には署名がない。専門家の解説を聞いた...

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