第7章 新しい夜明けの旅立ち

復讐を終えてから、三日が経った。

私はベッド脇の椅子に腰掛け、眠り続ける姉エリスの蒼白い頬をそっと撫でる。窓から差し込む朝の光が、その深い傷跡を痛々しいほどに浮かび上がらせていた。

「姉さん……あいつらはもう、いないのよ。なのに、どうして……どうしてあなたは帰ってきてくれないの?」

返ってくるのは、穏やかで、しかしどこまでも遠い寝息だけ。

復讐は、焼け付くような渇きを癒す万能薬だと信じていた。だが、胸に満ちるのは勝利の美酒ではなく、底なしの虚無感だった。あの獣たちの死は、姉を目覚めさせる奇跡にはならなかったのだ。

私は血に濡れた己の両手を見つめる。この手は三つの命を容易く...

ログインして続きを読む