第151章 謎のトレーダー

由紀は、光咲や由佳に株の話を詳しく説明することはしなかった。

北村萌花の産んだ三人の子供たちは皆聡明だが、それぞれ得意分野というものがある。光咲や由佳に相場の話をしても理解できないだろうし、手助けにもならないからだ。

「やっぱり、少しヒントを残しておこうかな。イケオジならきっと気づいてくれるはず」

由紀は素早くキーボードを叩き、操作を終えるとパソコンを閉じた。

「よし、これでおしまい。寝ようっと」

由紀は満足げな笑みを浮かべた。あの切れ者のイケオジなら、僕が残した暗示を必ず読み解いてくれると信じていたのだ。

翌日。佐藤健志は北村萌花の運転で会社まで送られていた。道中、彼は恨めしげ...

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