第190章 強い子

会場が静まり返ったその時、車椅子の少年が突然声を上げた。

「僕、痛いのなんて怖くない。治療を受けたいです」

北村萌花は驚いて顔を上げた。その瞳は澄み切っており、揺るぎない決意が宿っている。

「僕、小さい頃に階段から落ちて頭をぶつけた時だって泣かなかったもん。だから痛いのなんて平気だよ! 生きたいんだ。お母さんと一緒にいたい。普通の人みたいになって、働いて、たくさんお金を稼いで……お母さんに花を買ってあげるんだ!」

少年はあどけない口調で、自身の夢を叫んだ。

白髪の混じった母親が、わっと泣き崩れて息子の車椅子にすがりつく。

その場の医師たちは、頭をぶつけた痛みと骨を砕く痛みが次元の...

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