第192章 催眠

森村奏良は北村萌花の視線にただならぬ気配を感じ、すっと身を寄せると声を潜めた。

「北村先生、何か気づいたことでも?」

北村萌花は勿体ぶることなく、自身の推測を口にする。

「あの子、恐らく催眠術をかけられているわ」

「催眠術? 先生はそんなことまで分かるんですか」

森村奏良は驚きの表情で北村萌花を見つめる。

北村萌花は小さく頷いた。

「以前、患者の治療にあたっていた際、どうしても痛みを伴う処置があったの。別の方法で苦痛を緩和できないかと模索して、催眠療法に行き着いたのよ。一時期、研究していたことがあってね」

そう言うと、北村萌花は再び車椅子の上で身悶えする少女に視線を戻した。

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