第20章 この女は目がない

この問題が解決しなければ、北村萌花が佐藤和也の奥さんという名義で学校の枠を先に取ってしまい、彼女の息子は国際幼稚園に通えなくなってしまう。

北村菜々美はとっくに大見得を切っていた。もし入れなかったら、自分たち母子は今後、後ろ指をさされて生きていくことになるだろう。

北村希は頭が痛かった。「北村萌花はどうしてあんな風に変わってしまったのかしら。昔は簡単に手玉に取れたのに、今じゃ全く歯が立たないわ」

「どんな手を使っても、あの子を阻止するのよ」北村菜々美は笑い者になるわけにはいかなかった。

この四年間、彼女は他人の陰口の中で過ごしてきた。表向きは平気なふりをしていたが、心の中では不...

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