第221章 脅されるのは嫌いだ

電話の向こうは重苦しい沈黙に包まれ、長い間をおいてようやく言葉が絞り出された。

「一体どうする気だ? あの件に関しては、俺だって君に嵌められたようなものだろう」

北村昇太は鼻で笑った。

「俺に嵌められたかどうかなど、些細な問題だ。重要なのは北村萌花がどう思うかだよ。それに、お前はもう泥沼に足を踏み入れている。俺のために誘拐計画を実行した――失敗に終わったとはいえ、北村萌花に恨まれるには十分すぎる理由だ」

「……この卑怯者が!」

受話器越しの声には、抑えきれない怒りが滲んでいた。

「今回の作戦は失敗したんだ。これ以上何を望む? 北村萌花は徹底して子供を守るだろうし、もうチャンスはな...

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