第258章 捕まえる人を間違えた

下村賢太は空っぽの箱を見下ろし、陰鬱な眼差しをホテル支配人へと向けた。

「説明してもらおうか」

支配人は恐怖のあまり顔面を蒼白にさせ、今にも腰を抜かさんばかりに震えている。

「わ、我々は、宝石を北村萌花さんの親友にお渡しするようにと伝達を受けておりまして……」

「北村萌花の親友といえば青木絵里香さんだろう!北村菜々美ではない!」

下村賢太は激しく机を叩き、怒号を響かせた。

「今すぐホテルを封鎖しろ。誰一人として外に出すな」

慌てて手配に向かおうとした支配人の襟首を、下村賢太が乱暴に掴んで引き戻す。

「馬鹿かお前は!今日の宴会に出席している客は皆、名だたる重鎮ばかりだぞ。ホテル...

ログインして続きを読む