第260章 役立たず

アゲートは首を横に振った。

「データに異常はありません。相手は力技でカメラを破壊したようです。しかも、犯人の姿を捉えた映像は皆無。相当、追跡を逃れる術に長けた奴ですね」

監視カメラに人影が一切映っていないと聞き、北村菜々美はようやく安堵の息を漏らした。

同時に、彼女の胸の内に一抹の恐怖が芽生える。あの恐ろしい大男は、間違いなくプロの殺し屋だ。

「それほどの手練れが、女の手でやられたって言うのか」

青井幸一は唇を歪め、菜々美を指差した。

「お前が嘘をついてるかどうかは知らんが、とにかく今からこのジュエリーボックスに近づくことは絶対に許さん!」

「私がこんな宝石を好き好んで欲しがる...

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