第289章 重要な人質

ルディの両手には致命的な武器が握られている。彼がほんの少し指を動かすだけで、目の前にいる身分の高い二人を地獄へ送ることができる。

しかし、ルディはそうしてはならないと分かっていた。

「やれよ、何をためらっている?」

佐藤健志は口角を上げ、あからさまな嘲笑を浮かべた。

「お前に指図される筋合いはない! 俺はお前の部下じゃないんだ」

ルディは鼻で笑い、拳銃と果物ナイフを収めた。

北村萌花と佐藤健志は致命的な脅威から逃れ、顔を見合わせて微笑んだ。彼らの賭けは勝ったのだ。

ルディが拳銃を収めるのを見て、森村優衣は悔しさに歯を食いしばった。

(ただの役立たずね。引き金を引く度胸もないの...

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