第290章 賭け

ルディは佐藤健志の言葉に一瞬虚を突かれ、北村萌花も不可解な面持ちで佐藤健志を見つめた。

「佐藤社長は一体どんな賭け金を上乗せするおつもりで?」

ルディは明らかに、佐藤健志の提案に強い興味を惹かれていた。

佐藤健志は片手をテーブルの上に置き、低い声で言った。

「俺が新たに追加する賭け金は、この左手だ」

「駄目よ……」

佐藤健志が言い終わるや否や、北村萌花が即座に反対した。

しかし佐藤健志は振り向き、静かに北村萌花を見つめ返す。その瞳はただ一つのメッセージだけを物語っていた。

『俺を信じてくれ』

その眼差しを受けた北村萌花は、喉まで出かかった言葉をどうしても紡ぎ出すことができな...

ログインして続きを読む