第295章 一人の父親の命乞い

その場にいる全員の耳に、かすかな音が届いた。微小な響き――今回は空撃ちだった。

佐藤真崎の狂気じみた表情が、顔に張り付いたまま凍りつく。

佐藤健志は長く息を吐き出すと、静かにリボルバーをテーブルの上に置いた。

「残るは最後の1発だ。どうやら神様はまだ俺に味方しているらしい」

佐藤健志の口角がわずかに上がり、薄い笑みが浮かぶ。そのまま銃を滑らせ、佐藤真崎の目の前へと押しやった。

佐藤弘之は絶望のあまりその場にへたり込み、肌の色までが土気色に染まっていた。

6つのシリンダーを持つリボルバー。すでに連続して5回引き金が引かれ、続く6発目は佐藤真崎に委ねられることになる。

テーブルの上...

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