第307章 不運なルディ

 宴会場の真ん中から、突如として白い煙が立ち上った。その煙は肌に触れると、ひんやりとした冷たさを帯びていた。

 煙を見た瞬間、北村萌花はふと既視感を覚えた。その煙は、彼女自身がかつて調合した麻酔薬の粉末を思い起こさせるものだった。

「早く濡れタオルで口と鼻を覆って!」

 萌花は咄嗟に息を止めたが、佐藤健志と青井幸二は一足遅かった。白い霧を吸い込んだ二人の体は、途端に力なく崩れ落ちた。

 二人の様子を見た萌花は、すぐさま傍らのテーブルへと駆け出した。そこにはシャンパンのボトルが置かれ、下にはテーブルクロスが敷かれている。

「ちょっと待ってて、すぐ済むから!」

 テーブルの前に飛び込...

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