第311章 家族

涙を流す北村萌花を見つめながら、佐藤健志の青白い顔に微かな笑みが浮かんだ。

「新婚初日に死んだら、歴史上最も悲惨な新郎になっちまうな」

「こんな時に、何の冗談よ? 言っておくけど、あんたが本当に死んだら、後追いなんて絶対にしないからね。さっさと再婚してやるんだから!」

北村萌花は目を吊り上げて怒っているように言い放ったが、言い終えるとすぐに吹き出した。

「……分かったわよ、冗談。それに、再婚なんてしないわ。あんたみたいないい男、そうそう出会えるわけないもの」

北村萌花は手を伸ばして佐藤健志の手を握り、自分の体温でその冷えた手を温めた。

彼女の手の温もりを感じ取った佐藤健志は、五本...

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