第320章 残高ゼロ

森村浩人は意識を取り戻した後、森村奏良とホテルでの出来事について手短に言葉を交わし、最後に先ほどの電話へと話題を移した。

「父さん、先ほど見知らぬ番号から着信がありました。北村萌花とその母親について何か知っているかと聞かれたのですが……この件に何か関わりがあるのですか」

森村奏良は怪訝な顔で森村浩人を見つめた。

森村浩人は一瞬だけ瞳孔を収縮させたが、すぐに元の落ち着きを取り戻した。

「間違い電話だろう。それか、妙な噂でも耳にしたかだ。私は北村萌花と親しくもないのに、どうしてその母親と面識などあるはずがなかろう」

「そういうことですか。それなら、父さんはゆっくり休んでください。会社の...

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