第336章 家族の切り札

森村優衣は鼻の頭を軽く擦り、今日のヨガを終えると、水を一杯飲もうと部屋を出た。

リビングを通りかかると、ちょうど外から帰ってきた森村奏良の姿が目に入った。彼は玄関をくぐるなりスーツの上着を脱ぎ捨てており、外の蒸し暑さに辟易しているのは明らかだった。

「おかえり。今日の記者会見はどうだった?」

森村優衣はリビングでグラスに水を注ぎ、喉を潤しながら森村奏良へ視線を向けた。

「全体的には悪くなかった。たまに気に食わない記者が一、二人いたが、概ね順調だったよ」

森村奏良はスーツをソファに放り投げ、そのままドサリと深く腰を下ろした。ネクタイを引き剥がし、無造作に床へと投げ捨てる。

そのだら...

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