第350章 不運な盗賊

佐藤和也は電話越しに聞こえてきた声に耳を疑い、小指で耳をほじりながら、半信半疑でもう一度聞き返した。

「佐藤家を掌握するって、まさかお前も佐藤家の血を引いているのか?」

佐藤和也は脳内で猛スピードでこの人物の正体を推測し始めた。

佐藤家の血筋はそう多くない。佐藤弘之、佐藤真崎、佐藤哲也、そして佐藤健志を除けば、あとは数人の傍系がいるだけだ。

しかしその傍系の連中なら佐藤和也も全員知っているが、こんな声の主は一人もいなかった。それに、あいつらは自分以上のろくでなしばかりで、こんな野心を抱けるはずがない。

「私に佐藤家の血は流れていない。だが、顔がある。それだけで十分だ」

電話の声は...

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