第361章 情報を隠す

北村萌花の手には、一通の研究レポートが握られていた。

「解析は終わりました。それと、森村奏良のほうの患者に、まだ発狂の症状が出ていない理由もはっきりしました」

北村萌花はレポートを青井幸二と佐藤健志に差し出す。二人が目を走らせ、しばらくしてから、ようやく青井幸二が顔を上げた。

「薬を飲み続けないと、あの妙なウイルスを抑えられないって? ……ふざけるな。これじゃクスリ漬けと何が違う。森村奏良、もう“製造”に手を出してんのか?」

青井幸二は眉間に皺を寄せ、吐き捨てるように言った。

佐藤健志は実験台の脇に置かれた薬箱へ視線をやる。

その薬は青井幸二が持ち込んだものだ。かつてブラックジャ...

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