第367章 名医の身分

その記者が“名医”の発言を読み上げると、周囲の同業者たちは一斉にスマホを取り出し、ネットで裏を取りはじめた。

森村奏良も衝撃で立ち上がり、同じくスマホを引っつかむ。

医学界の頂点にいる人間として、森村奏良が名医のSNSを追っていないはずがない。彼女は普段ほとんど発信しない。だが、ひとたび口を開けば医療界が揺れる。

しかも今回は――あからさまに森村奏良を狙い撃ちしていた。

画面に表示された賽華多の投稿を読んだ瞬間、森村奏良の指先が震え、スマホを落としかける。

「くそ……なんでだ。どうして俺が狙われる。名医が、俺を?」

顔色は真っ青。目だけが、画面に縫い付けられたように動かない。

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