第371章 葬儀場の混乱

北村萌花が森村奏良の転落死を知ったのは、それから三十分も経ってからだった。

「奏良が落ちたあと、森村浩人と森村芳行が下に駆けつけて応急処置をした。でも……正直、焼け石に水だったよ。君がそばにいれば、もしかしたら助かったかもしれない。だけどあの二人には、君みたいな“神業”はできないからな」

電話口の青井幸二の声は、ひどく沈んでいた。

つい二日前まで、“今世紀最高の若手医師”ともてはやされていた男が、たった二日で――墜落死。あまりにも皮肉が過ぎる。

北村萌花は言葉を失い、しばらく沈黙したのち、ふうっと息を吐いた。

「わかった。私と佐藤健志で、森村家に顔を出す」

そう言って通話を切り、...

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