第376章 死刑

北村昇太とアソがバーを出たとき、ようやく――あの悪夢みたいな場所から抜け出せた。

二人とも「これで安全だ」と思い込んでいた。だが、外の空気を吸った瞬間、北村昇太は胸の奥に引っかかる違和感を覚える。

出国していない。

ただ、州をひとつ越えただけだ。

「……ふざけんな。あいつら、俺を騙しやがった! なんで国外に出てねえんだ! こんな国にいたら、いずれ見つかるに決まってるだろ!」

吐き捨てるように悪態をつきながら、北村昇太の頭の中はぐちゃぐちゃだった。

佐藤家の影響力は全国に張り巡らされている。国外へ逃げ切れなければ、いつか捕まる――それも、時間の問題だ。

「北村昇太さん、いったん落...

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