第73章 病気を利用して他人の豆腐を食べる

北村萌花は熱のせいか、体がいつもより熱く感じられた。

先ほど佐藤健志が彼女の臀部に触れた瞬間、彼女は歯を食いしばって声を堪えた。その痺れるような感覚は心臓にまで達し、心地よささえ感じてしまう。そんな自分の感覚に羞恥を覚えた。

今、緊張している二人。

「もう出ていっていいわよ。終わったら呼ぶから」

佐藤健志は安心できずに言う。「熱があるんだから危ない。何かあったらすぐに対応できるよう、中にいさせてもらう」

彼の意外な心遣いに、「わかったわ。お疲れ様」と返す。

佐藤健志は確かに疲れていた。必死に我慢して疲れていたのだ。

「よかったら、背中でも流してマッサージしようか。そ...

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