第51章

江口ココは彼の真っ赤に染まった瞳を見て、この男がもう理性を完全に失いかけていることを悟った。

彼女の胸が締め付けられる思いになり、チャンスを見計らって、思い切り足で蹴り飛ばした。

青木圭は苦しげに唸り、痛みで体が傾いた。整った顔立ちが歪み、江口ココは急いでそれに乗じて彼を押しのけ、素早くソファから立ち上がった。

この男はなんてことを?こんな乱暴な真似をして、一体何がしたいの?

こんな時でも彼女を無理やり従わせようというの?

だが江口ココが逃げようとした瞬間、また手首を掴まれた。

「どこへ逃げる?江口ココ、君の手口はいつも同じだな」

江口ココは自分の手を引き離そうとした。「この畜...

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