第59章

夕暮れ時、江口暖暖は母親の様子を見に部屋へやってきた。ドアを開けるなり、母親の顔色が優れないことに気づいた。

はぁ……きっとまたパパがママを怒らせたんだ。

パパって本当にバカなんだから。ママをなだめるように言ったのに、どうして聞かないんだろう……

江口暖暖は思わず溜息をつき、それから甘い笑顔を浮かべながら前に進み、心配そうに尋ねた。「ママ、まだ痛いの?少しは良くなった?」

江口ココは娘を見るなり眉をひそめ、疑わしげな目を向けた。

この子、また何か企んでいるのかしら?

江口ココの探るような視線に気づいた暖暖は、にっこりと笑って真っ白な歯を見せると、ベッドに上がり、おとなしくママの足...

ログインして続きを読む