第56章

ロバートをホテルに案内し、部屋に落ち着かせた後、夜に迎えに来る時間を約束してから、ようやくホテルを後にした。

二人きりになった今、江口羽衣はようやく胸の内にある疑問をぶつけることができた。「遥斗、このロバートって一体何者なの?どうしてそんなに丁寧に扱うわけ?あの人、私たちのこと全然相手にしてないじゃない。そこまで取り入る必要ある?大物って言ってたけど、私聞いたこともないわ。もしかして大げさに言ってるだけじゃない?」

「あなたに付き合わせて大騒ぎしたのに、結局あの人を迎えるためだったの?でも来たばっかりで何もしてないじゃない。本当に実力があるか見極めてから決めればいいのに。詐欺師だったらど...

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