第103章

顎をいきなり掴まれ、新藤鈴奈は無理やり顔を上げさせられた。ぶつかったのは、底の見えない深い瞳。

「開けるな。あいつにチャンスなんか与えるな」

低くて艶のある声には、隠しようもない嫉妬が滲んでいる。しかも、遠慮ゼロの独占欲つき。

――うわ、もう隠す気すらないんだ、この人。

一瞬きょとんとした鈴奈は、すぐに悟った。誤解してる。

説明しようと口を開きかけた、そのとき。

神園和臣がぐっと顔を寄せ、彼女の唇に噛みついた。

キスは初めてじゃない。彼の触れ方にも、いつの間にか身体が慣れてしまっていて――彼が落ちてくる瞬間、鈴奈は反射で受けてしまった。

自分が何をしたのか気づいた途端、頬がか...

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