第104章

夜のクランクインパーティーで、新藤鈴奈はようやく新作の主演男優を目にした。

このドラマは男主人公の比重がそこまで大きくない。脚本のバランスを崩さないため、あまりに売れっ子の俳優を呼ぶのは避けたのだろう。監督が選んだのは、知名度は控えめで、現場でも扱いやすいタイプの俳優だった。

「推しに会えた……! やばい、かっこよすぎる……!」

葵が鈴奈の耳元でずっと悲鳴を上げている。

鈴奈は耳をさすりながら言った。

「紹介して」

見たことのない顔だ。だがこれから一緒に仕事をする相手なら、最低限は把握しておきたい。

「水野碧人っていうの。私が知ってる限り性格もいいし、穏やかで優しいし、なにより...

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