第109章

水野碧人と三浦江成はすっかり意気投合していた。新藤鈴奈は隣で静かに腰掛け、口を挟まず、二人が脚本について語り合うのを黙って聞いている。

水野碧人の役への解釈をひと通り聞き終えると、三浦江成は大きくうなずき、こちらから切り出した。

「明後日がオーディションだ。よかったら、その役……受けてみるか?」

水野碧人は口元をふっと緩め、瞳にぱっと喜びが灯る。

「本当にいいんですか? 三浦監督、ありがとうございます」

そう言ってグラスを持ち上げかけたが、三浦江成が手を上げて止めた。

「そんなにかしこまらなくていい」

含みのある笑みを浮かべ、続ける。

「今日は一つは鈴奈の顔で来た。もう一つは、...

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