第118章

神園和臣はその場で眉尻をゆるめ、満面の笑みで手を伸ばすと、新藤鈴奈を胸の中へ引き寄せた。声には喜びが滲んでいる。

「わかった。君の気持ちを尊重する」

新藤鈴奈が、これまで自分がやらかしてきた馬鹿なことを許してくれるのなら、やり直せないはずがない。待つことになったとしても構わない。そんなの、大したことじゃない。

鈴奈を失うくらいなら、待つ時間なんて、安い代償だ。

二人がそんなふうに話していると、不意に場違いな声が割り込んだ。

「すみません。新藤鈴奈さん、ですか?」

鈴奈が振り向くと、まだ若そうで、流行りの服を着た女の子が立っていた。丸い大きな瞳が、マスク越しの顔をじっと見つめている...

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