第120章

彼女の真面目くさった詰問を聞きながら、神園和臣はくすりと笑い、手を伸ばして彼女の頭をくしゃりと撫でた。

「何考えてんの。君、きっといい母親になるって思っただけだよ」

新藤鈴奈はきょとんとする。

「……どうしてそう思うの?」

神園和臣は彼女の手を引いてダイニングテーブルのそばに座らせると、自然な仕草で皿から料理を取り分けてやった。

「さっき奏太に対応してた感じ。あれ、完全におママだった」

新藤鈴奈は小さく笑う。

「忘れたの? 私、娘がいるんだけど」

稲垣日織を、昔どうやって育てていたのかは思い出せない。

けれど、あの子の今の様子を見る限り、自分の教育は――失敗だった。しかも、...

ログインして続きを読む