第129章

ここ数日、神園和臣は柿田絵里の件を片づけてくれて、彼女は彼女で、何事もなかったかのように撮影現場へ戻った。

彼女がまた勘違いしないように、という配慮なのだろう。

神園和臣は、何か動くたびに真っ先に連絡を寄こしてくる。

安心できる材料を、惜しみなく差し出してくる男。

新藤鈴奈も、そんなやり方を嫌だとは思わなかった。

同じ街にいるのに、なぜかやっていることは遠距離恋愛みたいで――いや、ほとんどネット恋愛だ。

けれど、それが案外おもしろい。

「鈴奈さん、また神園社長にメッセージ送ってますね」

新藤鈴奈はスマホをぱちんと閉じ、葵の覗き込んでくる顔を手のひらでぐいっと押し返した。

「...

ログインして続きを読む