第136章

彼女のスマホ画面に並ぶ、目がくらむほどの「0」の数を見た瞬間、女はあからさまにひるんだ。

見た目じゃわからないけど……この女、金持ちなのか。

女は子どもをひょいと抱き上げ、ぶつぶつ言いながら吐き捨てる。

「病気なんじゃないの。もう相手してらんないわ」

そう言って、そのまま立ち去ろうとした。

――逃がすわけないでしょ。

新藤鈴奈はさっと腕を伸ばして進路を塞ぐ。

「私が言ったことは有効で、あなたの言ったことは無効ってこと?」

圧をかけられ、女の顔色がわずかに変わる。

「……何がしたいのよ」

鈴奈は別に追い詰めたいわけじゃない。女の腕の中の子どもを一度見てから、淡々と言った。

...

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