第137章

新藤鈴奈は鏡の前に腰を下ろし、眉をわずかに寄せた。

最近の撮影はずっと津田真由と被らず、彼女もこの作品に出ていることすら忘れかけていたほどだ。

「今すぐシェリーさんに電話して、告げ口してやる」

葵は歯ぎしりする勢いでそう言い、スマホを取り出した。だが次の瞬間、新藤鈴奈がその手を押さえて、端末をそっと戻させる。

葵はきょとんとしてから、唇を尖らせた。

「鈴奈さん……また我慢するつもりですか?」

「誰が我慢するって言ったの?」

新藤鈴奈は眉を軽く上げる。

「直接、ケリをつける」

それを聞いた葵の表情がぱっと明るくなった。

鈴奈さん、やっと本気で立ち上がるんだ。

新藤鈴奈が立...

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